旅の終わりに…
第1話:憂鬱
ここはラダトームの町。
ちょうど、太陽が真南に差し掛かり、町の住人が仕事の手を休めて昼食を作り始めた頃、
一組の若い男女がやってきた。
男の方は甲冑を纏い、剣を携えており…いわゆる剣士か騎士のような格好をしていた。
そして女の方は、高価そうなドレスを纏い、その内面からはとても一般庶民とは思えない
ほどの雰囲気を漂わせていた。
そんな、ある種異様とも思えるこのカップル…そう、この2人こそアレフガルド王の一人
娘『ローラ』とそのローラを竜王の城から救い出した勇者である。
そんな二人はラダトームの町では当然群衆の注目の的である。
ある者は気づかれないように見て見ぬ振りをしながら観察し、そしてある者はあからさま
に好奇な目を二人に向けた。
しかし、二人はそんな群衆の目なんか気にしないと言わんばかりに町の中を歩き続けた。
そして、二人が宿屋の前を通り過ぎようとしたとき、ローラは勇者に向かって話し始めた。
「ねぇ、勇者さま…今日はここで泊まりましょう?」
「えっ!? だけど、まだ日も高いし、急げば夜にはお城の方へ帰ることができる…」
勇者はローラにそう言いかけたが、ローラはその言葉を遮った。
「いいえ、今日は帰りません。ここで泊まりたいのです。」
「し、しかし…」
「ここで1日遅れても同じことです。それに、今日はもう疲れました。」
そう言って、ローラはさっさと宿屋へと入っていき、それに続くようにして勇者も宿屋へ
入っていった。
*
勇者とローラが宿屋に入り、ローラはロビーにあった来客用のソファーに腰を下ろした。
その間、勇者はカウンターに向かい、カウンターにいた宿の主らしき人間と話を始めた。
おそらく、今日泊まるためのチェックインをしているのだろう。
しばらくして、チェックインが済んだのか、勇者はカウンターを離れ、ローラの元へ歩い
ていった。
そして、ローラに小さな金属片を渡しながら言った。
「それではローラ姫…お部屋は2階の一番奥だそうです。そして、これがその鍵です。」
「はい、わかりました。それで、勇者さまも?」
「いえ、わたしは、その隣になります。」
「えっ!?」
それを聞いて、ローラは驚いた。
なぜなら竜王に助けてもらってから、ローラと勇者はいつでも一緒にいたのである…勇者
はいつでもローラのそばにいてくれたのである。
だから、たとえ宿屋といえども、ローラは当然、勇者のそばで…勇者と一緒の部屋で過ご
すものだと思っていた。
そして、もしかしたら勇者も城の近くまで来たので安心して、いままで押さえてきたであ
ろう欲望を自分に向けてくれて、一線を越えてくれるかもしれないという淡い期待を持ち
ながら…
「? どうしました? ローラ姫。」
そんなことを考えていたローラに不意に勇者の声が聞こえてきた。
すぐに我に返り勇者の顔を見てみると、勇者が心配そうに自分の顔を見ていた。
その瞬間、ローラは自分が勇者に見られながら妄想に耽っていたことに気づき、急に恥ず
かしくなって、真っ赤になりながら俯いてしまった。
「い、いいえ…なんでもありません…」
ローラはできる限りの大きな声で勇者にそう言ったが、それでも普通に話す声の大きさよ
りも小さく、近くにいた勇者がやっと聞き取れるほどだった。
そのローラの態度や仕草に勇者は心配そうな顔をしながらも、宿屋に入る前のローラの言
葉を思い出し、ローラは疲れているのだ思い、それ以上は何も聞かなかった。
その後、話も途切れ、お互いに気まずくなったのか、どちらからともなく階段を上ってい
った。
そして、お互いの部屋の前についたときに、勇者はローラに向かって微笑みながら言った。
「…それではローラ姫、もし何かあったら、わたしは隣にいますので、いつでも言って下
さい。」
ローラはその言葉と笑顔を見て、心の中が一気に暖かくなるような気がした。
しかし、ローラは勇者が別々に部屋を取ったので、少し不機嫌だった。
一瞬、勇者が自分に全く興味がないのではないかとも思った。
しかし、やはり自分は一国の姫で、相手は勇者とは言え王族でも何でもない普通の男性な
のだ…そんな男と同じ部屋に寝るわけにはいかないと自分に言い聞かせた。
それに考えてみれば、安全な場所だからこそ、勇者はローラと別の場所で休むことができ
るのである。
そう思うと、別々の部屋を取って休むのは当然のように思えてきた。
「…はい…ありがとうございます…」
ローラは勇者にそうお礼を言ったが、どこか煮え切らない思いがした。
そう、ローラは宿屋に入ったときに持っていた思い…勇者と一線を越えてくれるのではな
いかという期待を捨てきれなかったのである。
しかも、こういうものは考えれば考えるほど…思えば思うほど、その思いが募ってきてど
うしようもなくなるのである。
ローラは、精一杯の勇気を振り絞って部屋に入っていこうとする勇者を呼び止めた。
「ゆ、勇者さま!!」
「なんですか? ローラ姫。」
勇者はローラの呼びかけを聞き、部屋に入ろうとした足を止めた。
それを見て、ローラは勇者を自分の部屋に誘うべく、言葉を探した。
しかし、なかなか次の言葉が頭に浮かんでこない。
直接的に誘えば勇者は当惑し、自分の思いを受け入れてもらえないかもしれない。
かといって、そのまま勇者に何も言わなければ、100%何もないまま終わることだろう。
ローラは必死で考えた結果、直接的な言葉は一切使わず、間接的に勇者を自分の部屋に誘
うことにした。
勇者がこれから言う言葉に含まれた自分の思いに気づき、理解してくれることを願って…
そして、自分の部屋に来てくれることを信じて…
「…あの、その……ゆ、勇者さま……本日は二人で過ごす最後の夜です……どうか……お
願いします……」
「…わかりました、ローラ姫。」
そう言って、ローラは顔を赤らめながら急いで自分の部屋に入った。
それを確認した後、勇者も自分の部屋に入った。
ハ
*
ハ
そしてその夜…
ローラは服を宿屋にあったパジャマに着替えベットに潜り込んだ。
しかし、ローラは寝付けなかった…いや、敢えて寝なかったのである。
なぜなら、昼間の自分の言葉を勇者が理解して、自分の部屋に来てくれるかもしれないと
いう思いがあったから…
そして、もし勇者が来た時に自分が眠ってしまっていては勇者は諦めてしまい、何もしな
いで自分の部屋に戻ってしまうかもしれない…そんなチャンスを絶対に逃したくないとい
う思いがローラの身体から睡魔というものを追い出していた。
だが、いくら時間が経っても、いくらローラがドキドキしながら勇者を待っていても、勇
者は来なかった。
「…勇者さま…」
ローラは一人、ベットに横たわりながら呟いた。
「勇者さまは、あの言葉の意味を理解されなかったのかしら…」
そう言いながら、勇者の部屋がある壁の方に向いた。
そして、昼間の自分の思いが勇者に理解されていなかったのかと思うと、すごく悲しい気
持ちになった。
「どうして…どうして、なにもして下さらないの…?」
ローラはその壁に向かって呟いた。
それは壁の向こうで寝ているであろう勇者への問いかけであるが、むろん勇者が答えてく
れるはずはない。
ローラのその問いかけに対して返ってきたものは…沈黙だけであった。
「もう、今日しか…今日だけしか勇者さまに愛される日はありませんのに…」
そう、もう明日には城に着いてしまう。
そうなると、もう2度と勇者と2人きりで旅をすることなどないであろう。
「わたし、ずっと…ずっとお待ち申し上げておりますのに…」
そう言いながら、ローラは自然と涙を流していた。
「あのとき、恥ずかしかったけど、勇者さまに、わたしの…わたしの恥ずかしいところ…
お見せしましたのに…」
『あのとき』とは、それは勇者に竜王の城から助けられ、地上に出てから数日後のこと…
勇者とローラはある森の中で野宿をしていた。
たき火を焚き、そのたき火の側でローラが勇者の側で眠り、勇者はたき火を絶やすことな
く、さらに敵を警戒しつつ断続的に仮眠をとりながら一晩を明かすという、ここ数日、毎
日行われていたことをその日も変わらずに行っていた。
しかし、その数日前からローラの心は自分を命がけで守ってくれている勇者に傾いていき、
このころには勇者に自分自身を捧げてもいい…いや、自分自身を捧げたいとすら思ってい
た。
こういう場合、どこかにいるような娼婦であれば、自らの服を脱ぎ、勇者に迫り、もし勇
者が拒むようであれば強引に勇者を押し倒してでも自分の思いを遂げることができるので
あろう。
だが、ローラは一国の姫である。
そう言った直接的な行動は、たとえ自分が行いたいと思っていてもそれは許されない行為
なのだ。
いや、たとえローラが意識的に『一国の姫だなんて関係ない』と思っていても、いままで
生きていた経験や教育によってローラ自身に刷り込まれた『王族』という名の足枷が、無
意識のうちに身体が直接的な行動をとることを拒んでしまっていた。
しかし、諦めきれないローラは、勇者が自分に迫ってきてくれることを願い、勇者を挑発
するような行為を始めた。
まず、寝返りを打つフリをしながら、勇者のいる方向に足をもっていき、さらに足でスカ
ートをまくり上げ、下着をさらけ出した。
その直後、かすかに動く気配があったのでローラは薄目をあけて勇者の方を見てみたら、
勇者が自分の方向を向いているのが見えた。
それを見て、一瞬恥ずかしくなったが、勇気を振り絞って、今度はとても一国の姫とも思
えない足を広げた格好になり、その足の付け根にある秘所を誇示するかのように勇者に向
かってさらけ出した。
しばらくの時が経ち、再び薄目で勇者を見た。
そうしたら、勇者が近づいてくるではないか。
ローラはこれから起こることに対して期待と不安に胸をときめかせながら、目を瞑って勇
者の次の行動を待った。
その直後、勇者はローラの脚に手を伸ばし、そしてその細い足首をつかんだ。
ローラは一瞬硬直したが、次の瞬間、勇者がローラの脚を揃え、そして捲れていたスカー
トを元に戻してしまった。
そして、ローラの身体および衣服をきちんと整えた終わった勇者は、そのまま元の位置に
戻り、再び仮眠をとった。
ローラは、勇者のその行為が自分を大切にしてくれているように思えて嬉しかった。
しかし、勇者にとって自分には魅力がないのか…自分は『勇者の欲望のはけ口』という価
値さえ無い程度の人間なのかという不安と悲しみの方が大きかった。
第2話:慰め
「やはり、わたしの身体に魅力がないのでしょうか…」
そう言いながら、ローラは上半身を起こし、上着を脱いだ。
そして露わになった自分の胸をじっくり見てみた。
確かにローラの胸はローラと同じくらいの年齢の少女と比べたら、心なしか小さいように
思える。
しかし、その胸は透き通るように白く、胸の頂にある乳首は綺麗な淡い薄桃色をしていて、
その色や形の美しさはどの少女にもひけを取らないであろう。
だが、いまのローラにとっては、胸の大きさ以外の色や形など、そんなものは魅力のうち
には入らないように思えた。
だから、勇者に興味さえ持たれなかったと思っていることもあり、自分の胸を見れば見る
ほど、ローラの悲しみは大きくなり、自然と涙を流した。
ローラはいままで、自分の体型に関して、全く興味を持たず、気にもとめていなかった。
なぜなら、人間の価値は内面の美しさで決まるもの…そう教えられていたし、ローラ自身
もそう思い、自分と…そしていつかは現れると思っている自分と生涯を共に歩む相手のた
めに、自分の内面ばかり磨いていたからだ。
しかし、いまになって、勇者に相手にされない自分を思うと、やはり身体の魅力も磨くこ
とも大事なんだとローラは痛感し、そして、自分自身を磨く方向を誤ったことに、後悔の
念にかられていた。
そんな悲しみの中、ローラは自分の悲しみの元になっている胸の谷間に人差し指を置き、
軽く指でなぞってみた。
そして、その指を胸の谷間から段々と胸の膨らみを上に登っていき、その頂にある薄桃色
の乳首を軽くつついてみた。
「(ぴくん) んっ…」
ローラの体の中に、一瞬だが電気が流れたような感覚が襲った。
「こ、こんなに……驚いてしまいましたわ…」
ローラは自分の胸を見ながら少し驚いた。
なぜなら、その衝撃が思った以上の快感をもたらしてきたからだ。
だが、その快感はローラに不思議な心地よさをもたらしてきたので、身体に快感の余韻が
なくなると、その快感を再び…いや、さっきより強い快感を得たいと思い、今度は乳首を
少しだけ強くつついてみた。
「(ぴくっ) あっ…ん…」
指が乳首に触れる度にローラの身体に訪れてくる快感…
もっともっと、この快感を味わいたい…ローラはそんな想いを抱きながら乳首をつついて
いた。
いつしか、ローラはこの快感の虜になっていた。
*
しばらくの間、乳首からの快感を味わっていたが、それにも少し飽きたローラは、左手を
大きく広げて、左側の胸を優しく包みこみ、少しでも得られる快感を大きくしようと思い、
目を閉じた。
そして、ローラは胸を優しく、ゆっくりと揉んでみた。
「はぁ……ん……」
ローラの口からは、ため息ともとれるような甘い声が漏れた。
そうやって数回ほど指を動かして胸を揉んでいたら、目の前に微かな気配を感じた気がし
たので、ローラはゆっくりを目を開けた。
そうしたら、なんと勇者が目の前に現れ、ローラに微笑んでいた。
「!! ゆ、勇者さま!?」
ローラはそう大声で叫んだ。
そして、その突然の出来事に驚き、一瞬、気を失いそうになった。
しかし、何とか持ちこたえると、今度はいま自分のしている行為に気づき、急いで側にあ
った毛布を全身覆い、毛布の中で再び目を閉じた。
「(ど、どうして勇者さまが目の前に!? こ、この部屋に入ってくる気配は感じなかっ
たのに…)」
ローラは必死でいまの現状について考えてみた。
確かに、この状況はローラが待ち望んでいたものである。
しかし、あまりにも突然に起きたために、どうしてもローラは素直にぞれを受け入れるこ
とができなかった。
だが、それでもこの待ち望んだ状況を少しでも早く受け入れたいと思ったローラは、必死
でこの状況を把握しようとした。
「(も、もしかしたら、夢中になって気がつかなかったとか…だ、だけど、勇者さまにだ
ったら、わたし…あっ! でもでも、わたしからご奉仕して差し上げた方が勇者さまに
喜ばれるかも…)」
そんなことをローラは考えていた。
本人は必死にこの状況について考えているのだろうが、やはりかなり気が動転しているの
であろう。
その考えは支離滅裂で、まさに『パルプンテをかけられた状態』に近かった。
だが、そんな混乱状態をなんとか脱したローラは、改めて現在の状況を考えてみた。
勇者が自分の部屋に来てくれている…そして自分に微笑んでくれていた…そう思うとロー
ラは体が火照ってきたように感じた。
そして、ローラはこんなチャンスはもう2度と無いものと思い、ありったけの勇気を振り
絞って、毛布の中から勇者に向かって話しかけた。
「あ、あの……ゆ、勇者さま……その、わ、わたし…初めてですから………」
ローラはそう勇者に向かっていったが、勇者からの返事はなかった。
それでも、もしかしたら行動で表してくれるのではないかと思い、ローラはしばらく待っ
ていたが、いつまで待っても勇者が自分の被っている毛布を捲る気配もなければ、動いて
くれる気配もない。
そんな沈黙に我慢ができなくなったローラは毛布から顔を出し、先ほど勇者がいた方向を
向いた。
「勇者さま……あ、あら? 勇者さま、どちらへ行かれたのですか?」
ローラは辺りを見回してみた。
しかし、勇者はどこにもいなかった。
もしかしたら、自分の態度に勇者が怒って部屋を出ていってしまったのかとも思ったのだ
が、勇者が部屋を出ていく気配どころか、何も動くような気配さえ感じなかった。
そう、先ほどローラが見た勇者は、ローラが勇者のことを想うばかりに生み出してしまっ
た幻だったのだ。
「勇者さま…そうよね、勇者さまが来てくれるはずが…」
しばらくしてからローラはそのことに気づくと、急にいままで自分がとった行動の愚かさ
に泣きそうになった。
*
「もう、だめよね…仕方ないけど……もう……」
そう言って、ローラは毛布で身体を覆い、眠ろうとした…その時…
「(ぴくっ) んっ!? あっ…」
突起した乳首と毛布が擦れて、ローラの身体に思いがけない快感をもたらした。
その途端、ローラの身体に残っていた快感の余韻が再び蘇ってきた。
「だけど…もし…もし勇者さまにわたしの胸をこういう風に触って頂けたら…」
ローラは右胸に右手を添え、再び勇者のことを想いながらその右手を少し強く動かして胸
を揉んでみた。
「ぅん…あっ……あっ……」
その途端、先ほどまでとは比べものにならないほどの快感がローラを襲った。
ローラはその快感をもっと感じるために、段々と速く、そしてしっかりと胸を揉んでいっ
た。
「そして、こういう風に先を摘んでほしい…」
そして、ローラは右手で胸を揉み続けながら、左手を左胸の頂にある薄桃色をした乳首に
持っていき、そして軽く摘んだ。
「あんっ! ここ、こんなに堅くなってる…」
そう言いながら、ローラは乳首を摘んでいる指先を擦るようにして動かした。
「はあん! いや、これ…」
ローラは右胸と左胸から送られてきている、それぞれ違った快感に酔いしれていた。
しばらく胸から得られる快感を楽しんでいたローラだが、段々とそれで満足する事ができ
なくなった。
「勇者さま…もっと……もっとぉ……」
ローラは胸以上の快感を得るために、自分の乳首を摘んでいた右手をゆっくりと下腹部へ
移動させた。
お腹からおへそ、そしてその下のほとんど生えていないくらいの恥毛を上をゆっくりと下
へ動いて行き…その右手がたどり着いた先は…足の付け根にあるローラの秘所…
その秘所は、まだローラ自身でさえほとんど触ったことはなく、ましてや他の誰にも触ら
れたことのないことが一目で分かるくらいに強くぴったりと閉じていた。
そして、そんなまっすぐな亀裂の上端にあるクリトリスは、亀裂と同じくまだ触られたこ
とのないことが分かるくらいに厚い皮で守られていた。
「もう、こんなになってる…」
そんな秘所のクリトリスがある部分をローラは皮の上から優しく擦ってみた。
その途端、ローラの身体に胸を触っていたときとは違った快感が訪れた。
「ぁん…そ、そして、ここをこういう風に…勇者さまに…」
そう言って、ローラは秘所のまだぴったりと閉じている亀裂に沿って、ゆっくりとなぞっ
てみた。
「はうぅ…ん…」
指を下から上になぞり上げ、亀裂の一番上にあるクリトリスに指が触れる度に、ローラは
身体を震わせて甘い声を漏らしていた。
ローラはしばらく亀裂を擦っていたが、先ほどまで胸を揉んでいた左手を亀裂に持ってい
き、両手で亀裂をゆっくりと開いてみた。
「あっ…ここ……こんなに濡れてる……」
ローラは自分が両手で開いている亀裂の中を見てみると、そこはすでにローラ自身の身体
の奥から出した『いやらしい蜜』で溢れていた。
そんな亀裂の中にある襞をローラはゆっくりと擦った。
「んっ!! あぅ…」
擦りだした途端、ローラの身体が小刻みに震え、『いやらしい蜜』の量も格段に増してい
った。
しばらくクリトリスを皮の上から摘んだり、亀裂の中の襞を擦ったりしていたが、そのう
ち、クリトリスにいままでとは違った感覚を感じた。
「ここも、こんなに大きく……堅く…なってる……」
ローラはベッドから体を起こしてその違った感覚を与えている場所を見てみると、先ほど
まで皮に完全に守られていたクリトリスが自己主張をするかのように皮に被りきれないほ
ど大きくなり、その顔を覗かせていた。
「ここ、触るとたぶんもっと……でも…これ以上は……怖い………だけど………」
ローラはいま顔を覗かせているクリトリスを見ながらそう思った。
なぜなら、いままでの快感でさえ、ローラにとってはほとんど感じたことのないくらいに
衝撃的なものだったからだ。
確かに、いままでにもローラは胸や秘所などを触りながらオナニーらしきものをしたこと
があるが、それはあくまでも侍女たちが影で自分たちのオナニーの方法を話しているのを
偶然に耳にして興味をもち、真似事で胸などを触っていただけにすぎず、今回のような本
格的なものは初めてだった。
そして、これ以上すると自分がどうなってしまうかわからないという恐怖もローラ自身は
感じていた。
だが、いまローラに押し寄せている快感…そして好奇心には、そんな恐怖心など抑制力を
持たなかった
ローラは思い切って、右手でいま自分の目の前にある顔を覗かせているクリトリスを完全
に皮から剥き、そして指で摘んでみた。
「ああっっ!!」
ローラがクリトリスを摘んだと同時に、いままでに感じたことのない激しい快感が襲って
きた。
そのあまりの快感にローラの身体は弓なりになり、そして力が抜けたようにゆっくりとベ
ットに仰向けになった。
そして、ローラはその拍子に気を失いそうになったが、首を左右に振って何とか持ちこた
え、仰向けになったまま今度はクリトリスを摘んでいた指を揉むようにして擦りだした。
「あうっ! いや、ダメ!!」
ローラが指を擦る度に、強すぎるくらいの快感がローラの体中を駆けめぐった。
そしてローラはその快感に夢中になり、さっきよりもかなり激しくクリトリスを擦った。
「あぅん…もっと…もっとぉ〜!!」
ローラは激しく快感を貪っていたが、そんな中、ローラは自分の左手がなにもしていない
ことに気づき、その手をローラの亀裂の中にある膣と呼ばれる穴の周りを擦りだした。
そして、ローラは、膣にゆっくりと指を入れてみた。
「あっ、痛っ!!」
膣に指を入れると、ローラは微かな痛みを感じた。
だが、ローラは指を膣に入れる際に痛みがあることも侍女の会話で知っていたし、ローラ
自身も覚悟していたので、痛みに対しての恐怖心はほとんどなかった。
それどころか、ローラの膣が蜜で溢れていたおかげで、実際に感じた痛みは最初に指を入
れた瞬間だけで、あとはずっと快感の方が上回っていた。
しかし、ローラはいきなり快感を求めるように指を動かそうとはせずに、しばらく指を入
れたままにして膣の様子を楽しんだ。
「……はぁ〜……」
そのローラの膣に入れた指は柔らかい襞で包まれ、動かさなくてもその指からローラ自身
に快感を送り込んでくれるようだった。
ローラは一呼吸ついてから、クリトリスを擦りながら膣に入れている指をゆっくりと出し
入れをしてみた。
「あっ!! これ、すごい! 凄すぎるぅ〜!!」
ローラはクリトリスから送られてくる快感と、膣から送られてくる快感に夢中になった。
そして、その快感をもっと貪ろうとするかのように、クリトリスを激しく擦ったり摘んだ
りして、なおかつ膣に入れている指を激しく出し入れした。
静かな部屋の中に、ローラの甘い喘ぎ声と『くちゅくちゅ』という淫猥な音だけが響いて
いた。
しばらくすると、ローラは段々と何も考えられなくなり、目の前が真っ白になっていく感
じがした。
そんなローラの頭の中に、ふいになぜか勇者の顔が浮かんだ。
「あっ!? ゆ、勇者さま…だ、だめ! わたし……ゆ、勇者さま…勇者さまぁ〜〜!!」
突然、ローラの性感が一気に高まっていき、身体が弓なりになったかと思うと、『びくび
く』と痙攣を始めた。
しばらく痙攣をしたあとに指を膣から抜き、ベットに横たわりながら荒い息をついていた。
「はぁ……はぁ……勇者…さまぁ〜」
しばらくして落ち着きを取り戻すと、ローラはいままで自分がやっていた行為を思い出し、
急に恥ずかしくなって毛布を頭から被った。
「…わたし…勇者さまのことを思って……してしまったのね……」
ローラは毛布の中でそう思うと、いま自分のした行為を思い出して恥ずかしい反面、ここ
まで自分が一途に勇者のことを想うことができると言うことに対しての自分自身への嬉し
さがこみあげてきた。
だが、いままでのことは全て自分が勝手に勇者のことを思いながらした行為にすぎず、勇
者との関係も当然変化することはない。
ローラ心の中では、明日には勇者と自分は離ればなれになってしまう…そしてもう2度と
会えないかもしれない…そんなことから、一度は諦めてしまった勇者への熱い想い…それ
が再び燃え上がっていた。
「やっぱりわたし、我慢できない……あのお方に…勇者さまに、愛されたい……」
ローラは決心すると、先ほどまでの行為で身体に付いてしまった涙や『いやらしい蜜』な
ど様々な液体を拭き取り、そして乱れきった衣服を直して部屋を出た。
勇者に…思い人に愛してもらうために…
第3話:想い
部屋を出たローラははやる気持ちを抑えながら廊下を歩き、隣にある勇者の部屋の前まで
来た。
そして震える手で勇者の部屋のドアをノックした。
「(こんこん) 勇者さま、起きていらっしゃいますか? ローラです。」
ノックをした後、ローラはドキドキしながら勇者の返事を待った。
だが、しばらく経っても部屋の中から返事はない。
ローラはいますぐにでも部屋の入って勇者に愛してもらいたかったが、一応のマナーとし
て再びドアをノックしてみた。
「(こんこん) …勇者さま? もうお休みになられたのですか?」
そう言って、ローラはまたしばらく返事を待ってみた。
だが、やはり中からは返事がなかった。
「勇者さま…もうお休みになられていますよね…」
ローラは、勇者からの返事がないという自分が想像していなかった出来事に我に返り、そ
していままで興奮状態あった心が少し落ち着いてきた。
「わたし…なんてはしたないことを…」
ローラは部屋を出てからいままで、自分が欲望のままに行動していたこと気づき、急に恥
ずかしくなった。
「やっぱり、こういうことは…いけないことですよね…」
ローラは勇者の部屋のドアを見ながらそう思った。
確かに、こんな夜這いのような行動は普段のローラだったら、まず取らないであろう。
だから今回の行動は気の迷いだったのだと、ローラは自分に言い聞かせた。
「それに、当然このドアは閉まって…」
そう言いながらローラは勇者のドアのノブに手をかけてみた。
だがローラの予想に反し、意外にも勇者の部屋のドアには鍵がかかっておらず、ローラが
軽く押すだけでドアは開いた。
その光景を見て、一度は自分の行動を戒めたローラだが、再び自分の心の中に湧いてくる
欲望…そして勇者への想いを捨てきれずに、罪悪感にかられながらもゆっくりとドアを開
き、中に入った。
*
「勇者さま、失礼しますよ…」
そう言ってローラは部屋に入っていった。
部屋の中は真っ暗で最初は全く何も見えなかった。
そのまま動かないでいたら少し目が慣れてきたが、それでも辺りは微かにしか見えなかっ
た。
そんな中、少し目が慣れたローラが辺りの物にぶつからないようにゆっくりと部屋の中を
歩いていると、目の前の方向で微かに人の気配を感じた。
「もしかして、こちらの方に…」
ローラは、急いで気配がした方向に行きたいという気持ちを抑え、ゆっくりと確実に気配
がした方向へと向かった。
そして、その気配の目の前に来て目を凝らすと、目の前にはベットがあり、そして勇者が
熱かったのだろうか毛布を掛けないで静かな寝息を立てながら眠っていた。
「うふふふ…勇者さまの寝顔をこういう風にじっくり見るのは初めてですけど…」
そう言ってローラは勇者の息がかかるくらいにまで顔を近づけた。
「すっごく、可愛いです。」
勇者に顔を近づけたローラは、まるで母親が寝ている自分の子供を見ているかのように、
穏やかな微笑みを浮かべながら勇者を見ていた。
しばらくして、ローラは無意識に眠っている勇者に話しかけるかのように独り言を言い出
した。
「竜王の城からわたしを助けてくれたとき、そしてここまで連れてきていただいたとき、
すっごくお強くて、そして頼もしくて…でも…」
ローラは勇者の頬を指で軽く撫でながら、なおも独り言を続けた。
「そのお方のお休みになった顔が、こんなにも可愛かったなんて…」
そう言いながら、ローラは勇者の寝顔を見ていた。
と、その時…
「きゃっ!!」
不意に勇者が寝返りを打ち、ローラの方を向いた。
ローラは驚いて勇者から顔を離した。
「ふぅ〜…お、驚いてしまいましたわ…」
ローラは立ち上がり、胸をなで下ろしながらそう言った。
そして、勇者を今度はいまのようなことがないように、少し遠くか、そして顔以外の全身
を眺めた。
そうやってじっくりと勇者を見ていたら、ふと勇者の『ある部分』が目に止まった。
「あら? こんなところがなぜか盛り上がっていますわ。なぜでしょうか…」
そういって、ローラは盛り上がっている部分に手を伸ばした。
「(ぴくっ) う、う…ん…」
「(びくぅ) きゃっ!!」
ローラが勇者の『盛り上がった部分』に触れた途端、勇者の身体がぴくりと反応したかと
思うと、再び寝返りを打ち、仰向けになった。
そんな勇者の反応にローラは驚き、急いで伸ばしていた手を引っ込めた。
それと同時に、いま自分が触っていたモノが何かローラは気づき、急に赤くなった。
「も、もしかしてこれって、勇者さまの…」
そう思い、いままで触っていた勇者の『ある部分』を再び見てみた。
そうしたら、さっきよりも遙かに大きく膨らんでいていた。
「あっ、だ、だめ…わたし、さっき自分でしたばかりなのに…」
ローラはそれを見て、先ほど触ったときの驚きや勇者の寝顔を見ていた穏やかな気持ちな
ど、どこかに行ってしまった。
そしていまのローラの心では、勇者に愛されたいという欲望と眠っている勇者に変なこと
をしてはいけないという理性が激しく戦っていた。
「で、でも、勇者さまも、こんなになっていらっしゃるんですもの…もし起きて下さった
ら…わたしのこと…だけど…」
そうやってローラは戸惑いながらも、目線は勇者の『ある部分』に釘付けになっていた。
「女の子の方から男の方を誘うだなんて、はしたないこと…でも…」
ローラの心の中での理性と欲望の戦いは激戦を極めた。
少しして、ローラはその戦いに終止符を打つための調停案として、勇者を起こして愛して
もらうということを思いつき、それを実行した。
「ゆ、勇者さま…勇者さま…起きて下さいませんか?」
ローラは勇者に呼びかけながら身体を揺すった。
だが勇者は起きる気配を見せなかった。
それでもローラは、諦めないで勇者に呼びかけながら身体を揺すっていた。
「…起きないですね…よほど疲れていらっしゃるのでしょうね。」
しばらくローラは勇者を起こすことに努力していたが、勇者は全く起きる気配を見せない
ので、諦めてしまった。
だが勇者を起こそうとしている間も、ローラの目は勇者の『ある部分』に釘付けになって
いたせいで、ローラ自身の欲望は勇者の部屋に入ってくる以前と同じかそれ以上に膨らん
で、ローラ一人では押さえきれなくなっていた。
「でも、わたしがこのままじゃ…そうですわ!」
ローラはゆっくりと勇者のベットに近づいた。
そして、勇者のはいていたズボンに手を伸ばした。
「勇者さまはお疲れですから、無理に起こしにならない方がいいですわね…そのかわり…
わたしが、勇者さまにご奉仕させていただきます…」
そう言うと、ローラはズボンを勇者が起きないようにゆっくりと脱がせようとした。
しかし、勇者が寝ていて、お尻の部分と膨らんでいる部分が邪魔をしてなかなか脱がせる
ことができない。
それでもしばらくは勇者を起こさないようにゆっくりと丁寧に勇者のズボンを脱がせよう
としたが、しばらくするとローラは業を煮やして、勇者が寝ていることを忘れて思い切り
勇者のズボンを下へずらした。
すると、まるで勇者が自分で腰を浮かせたかのようにお尻の部分の抵抗がなく、簡単に脱
がせることができた。
その途端、いままでローラが釘付けになっていた勇者の『膨らんでいた部分』である男根
が、一気に姿を現した。
ローラは勇者がズボンをはいていた時点で男根が大きくなっていることはある程度予想し
ていたが、実際に見てみるとその大きさはローラが思っていた以上で、見えた瞬間ローラ
はその大きさに驚き、とっさに勇者の身体から離れてしまった。
だが、少しするとローラは男根の大きさにも慣れ、再び欲望と…そして今度は勇者の男根
に対する好奇心もが湧き出てきた。
ローラは勇者に近づき、既にこれ以上ないと思われるくらい硬くそそり立っている勇者の
男根に手を伸ばした。
「(ぴくっ) う、ううん…」
ローラの指が勇者の男根に触れた途端、勇者の男根がぴくりと反応した。
その途端、ローラは勇者の男根を触っていた指を離し、恐る恐る勇者の顔を見た。
「お、お起きになられましたか?」
ローラは勇者の顔の方を向いて問いかけてみるが、勇者は起きる気配を見せずにまた規則
的な寝息をたてていた。
それを見て…
「ほっ…お起きにはなられなかったようですね、安心しました…ちょっと残念ですけど…」
ローラは一つ安堵のため息をついた後、再び勇者の男根を見つめた。
「さてと、これで準備が整いました…あとは、わたしが勇者さまを気持ちよくして差し上
げるだけですね…」
そう言うと、ローラは勇者の男根を優しく握り、ゆっくりと顔を近づけ、恐る恐る舌を差
し出した。
「……勇者さま……」
そして、ローラは舌を男根の裏側の根本に触れさせ、ゆっくりと筋に沿って舌を上の方に
動かした。
舌が段々と男根の上に上がっていき、先にある亀頭に触れた途端、勇者の男根はローラの
舌から逃れようとするようにぴくり動いた。
「あっ、いま動きましたわ…うふふ、なんだか可愛い…」
ローラは勇者の男根の反応に興味を持ち、再び男根の根本に舌を這わせた。
「(ぴくぴくっ) う、ううん…」
そんなローラの行動に、勇者の男根は敏感に反応した。
ローラはそんな男根の反応が面白くなり、勇者が起きるかもしれないという心配も忘れて
夢中で勇者の男根を激しく舐めた。
そうやってしばらく舐めていたら、ローラはふとあることを思い出した。
それはローラがまだ幼い頃、夜中に喉が渇いて目が覚め、キッチンへ向かおうとしたとき
にどこからかくぐもったような妙な声が聞こえ、恐る恐るその声のする方に向かったらそ
こはローラの両親の寝室で、その中ではローラの母親が怪しいほほえみを浮かべながら父
親の男根をくわえ、激しく頭を上下しているというものだった。
ローラはその当時、その母親の行為が何かは全くわからなかったが、なぜかその模様が頭
の中に残っていた。
それがいま、ローラの頭の中にいま鮮明に蘇っていた。
「…確かお母様がお父様に……こうやって……」
ローラは母親が行っていた行為…そしてその時の父親が恍惚とした表情をしていたことを
思い出しながら、ゆっくりと口を亀頭の前に持っていった。
そして、普段では決して開けることはないくらいに口を大きく開け、勇者の亀頭部分をそ
の口で包み込んだ。
「(そして、確か頭を上下に動かしていましたわよね…)」
ローラは、ゆっくりと勇者の男根をくわえながら頭を上下に動かし始めた。
「…んっ………んんっ………ぅんっ………」
ローラの口が小さいのか、それとも勇者の男根が大きいのかは知らないが、ローラの口で
は勇者の男根をくわえることはかなりきつく、動かす度にローラはかなりの息苦しさを感
じた。
しかし、それでも勇者が喜んでくれるのだったらとローラは息苦しさを我慢しながら頭を
動かし続けた。
そのうちに、その行為にも慣れてきたのか、ローラの頭を動かす速度が段々と早くなって
きた。
「(勇者さま…気持ちよくなってくれていらっしゃるのかしら…)」
ローラはそんなことを思いながら、なおも頭を激しく上下に動かしていた。
そんな中、辺りではローラが頭を動かす度に、ローラの口から漏れる声と、ローラの口と
勇者の男根の摩擦で発生した淫猥な音だけが響いていた。
しばらくローラは頭を動かしていたが、急に勇者の男根に変化が生じてきたのに気づいた。
勇者の男根は急に膨らんできたかと思うと、その亀頭部分の先から何か液体状のモノが吹
き出し、そしてローラの口の中に勢いよく入ってきた。
「んんっ!? ……んっ……んっ…(こくん)………ぷはっ……ごほっ、ごほっ……」
ローラは勇者の男根から吹き出してきたものを飲み込むと男根から口を離し、そして咳き
込み始めた
「……けほっ……けほっ………お、思わず飲んでしまいましたけど…先ほどのは一体……」
苦しげな表情を浮かべながら、ローラは先ほど飲み込んだモノがなにか考え出した。
そして、あることに思いついた。
「あっ……もしかして、先ほどのは………勇者さまの……精液……」
男性は快感の頂点に達すると男根から精液を放出することは、ローラ自身知っていた。
そして、いま自分は愛する人の精液を飲んだ…つまり、愛する人を快感の絶頂に導くこと
ができたのである。
「ということは、わたし…勇者さまを……喜ばせて差し上げることができたのですね……」
そう思うと、ローラは急に嬉しさがこみ上げてきた。
*
しばらくして、ローラは落ち着きを取り戻したときに、勇者の顔を見ながらゆっくりとし
た口調で眠っている勇者に向かって話しかけはじめた。
「勇者さま、いままで守っていただいてありがとうございました。
わたし、ここまで勇者さまと一緒に旅ができて、すごく楽しかったです。」
ローラはそう言うと、勇者に向かってお辞儀をした。
そして体を起こすと勇者に向かって微笑みながら再び話を続けた。
「うふふ、本当は楽しいって言ったらいけないのでしょうけど…
だって、この旅は勇者さまとわたしにとっては、本当に命をかけた旅でしたから…」
そう言うと、ローラはため息を一つついた。
「正直に言いますと、わたしも時々、怖いこともありました。
だけど、それ以上に勇者さまと一緒にいられたことの方が幸せでした。
それに勇者さまは、こんなわたしに一人の女の子として接してくれました。
だから、わたしは勇者さまと一緒にいる間だけでも、どこにでもいる大好きな方の
そばにいる普通の女の子になることができました…それが何よりも嬉しかったです。」
そう言いながら、ローラの目からは本人の意思とは関係なく自然と涙がこぼれかじめた。
「…でも、明日にはお城についてしまいます。
そうしたら、わたしと勇者さまは、もう会うことはないのかもしれません。
それに、いままでわたしは勇者さまに助けられているだけで、
なにもして差し上げられませんでした…何もお礼ができませんでした…」
ローラはそう言いながら涙を拭き取り、そしてまたすぐに笑顔になって再び勇者の顔を見
ながら話し出した。
「ですから、いま…いまこの場で姫としてではなく、一人の女の子として、
勇者さまにお礼をさせて下さい…
でも、そうは言っても、わたしには勇者さまにお礼ができるようなものは持ち合わせて
いません。
わたしがずっと大切にしていた、私自身しか…」
そう言って、ローラは身につけていたものを脱ぎ去り、生まれた姿になった。
そしてローラは、ゆっくりと勇者を起こさないようにベットの上に乗ると、ちょうど勇者
をまたがる形で勇者の男根の上に立った。
「勇者さま…いまわたしが持ち合わせている唯一の財産と言ってもいいもの…
わたしの体を…大切にしていたわたしの『初めて』を勇者さまに捧げます。
どうか…お受け取り下さい…」
ローラは、ゆっくりと膝立ちの状態になり、そして勇者の男根と自分の秘所…その中にあ
る膣が重なるようにゆっくりと座り込んだ。
「(ぴくっ) んっ…」
ローラの秘所が勇者のそそり立った男根の先にある亀頭に触れた途端、勇者の男根がまる
でローラの秘所に触れるのが恥ずかしいかのようにぴくりと動いてローラの秘所から離れ
た。
ローラは今度は勇者の男根が動かないようにそっと手で握り、再び自分の秘所に近づけ、
その中の膣の入り口に標準を合わせ、ゆっくりと腰を沈めた。
勇者の男根がローラの膣にゆっくりと入っていく…
「くっ、あ、あ、ああ…」
勇者の男根がローラの膣に入った途端、ローラの身体にいままで感じたことのないくらい
の激痛が走った。
それでもローラは勇者を喜ばせるために、その激痛に耐えながら、なおも膣の奥深くに勇
者の男根を受け入れていった。
「あっ、あうっ…ゆ、勇者さまぁ〜……はうっ!?」
そうやってローラが自分の奥深くまで勇者の男根を受け入れていると、不意に勇者の男根
がローラの膣の一番奥深く…子宮の入り口に当たった。
その途端、ローラの身体に思いがけない快感が走り、ローラは思わず身体を仰け反らして
しまった。
しばらくして、先ほどの快感が少し醒め落ち着いたローラはゆっくりと体を起こした。
「や、やっと、勇者さまを…大好きな方を受け……入れて……」
ローラは自分の奥深くまで勇者を受け入れたことを実感すると、自然と目から涙が溢れて
きた。
だが、この涙は痛みからくるものではなく、自分が勇者にすべてを捧げることができた喜
びの涙である。
そしてそれと同じように、ローラのこれ以上ないぐらい広がった膣からは、勇者を受け入
れることができた喜びで涙を流しているかのように赤い血がローラの膣と勇者の男根の隙
間から滲み出ていた。
「勇者さま…すぐに、気持ちよく…させて…」
ローラの身体では、まだ勇者を受け入れたときの激痛が襲っていたが、勇者を喜ばせたい
一心で腰を動かしはじめた。
「あうっ……い、痛……」
ローラは激痛に耐えながら必死に腰を動かした。
しばらくすると、そんなローラの身体から段々と痛みが消え、少しずつ痛みとは違った心
地よい感覚が産まれてきた。
「あっ……だ、だめ……」
ローラの身体からはすっかりと痛みが消え、快感だけがローラの身体に一気に高まってき
た。
そしてそれを示すかのように、ローラの腰の動きが次第に早くなっていく…
「や、やだっ! へ、変になってしまいますぅ〜!!」
勇者の男根をローラの一番奥を激しく打ちつける度に、ローラは身体を震わせて甘い声を
漏らしていた。
そして、ローラの秘所はローラ自身の溢れる想いを勇者に伝えるかのように蜜を溢れさせ
ながら精一杯に広がって勇者の男根を受けとめ、勇者の男根を痛いくらいに…それでいて
優しく締め付け、勇者を射精へと導いていこうとした。
「ああっ! 勇者さま…わたし…わたし、もうだめですっっ!!」
ローラは淫らな欲望に支配されてしまったかのように腰を激しく動かした。
そんな快感の波に飲み込まれていったローラの絶頂がもうすぐそこまで来ていた。
「はあ、ああ、ああああ〜っっ!!」
ローラはこれ以上ないくらいに腰を早く動かすと、急に何かが弾けたように身体を震わせ、
そして前に崩れ落ちるように倒れようとした。
だがローラは残っていた僅かな理性で、このまま崩れ落ちてしまうと勇者を押しつぶして
しまい、勇者に迷惑がかかるかもしれないと思い、何とか両手をベットについて崩れ落ち
ていく身体を支えた。
その支えた瞬間に、ローラの膣がローラの意識とは関係なく『ぴくぴく』と痙攣をした…
その途端…
「!? な、何か入ってくる……ま、まさかこれって、勇者さまの…?」
ローラは、荒い息をして絶頂の余韻に浸りながらも自分の膣に入ってきたあたたかいもの
を感じていた。
そして、それが勇者の精液だとわかると、ローラは再び嬉しさがこみ上げてきた。
「嬉しい…勇者さまに気持ちよくなっていただいたなんて…」
そう言いながら、ローラは勇者の寝顔に向かって目に涙を浮かべながら微笑んだ。
そして、勇者の男根を自分の膣からゆっくりと引き抜くと、勇者の男根にはローラが初め
ての証である赤い液体と勇者が絶頂を迎えた証である白い液体が微妙なコントラストを醸
し出しながら付いていた。
ローラはそれを自分が着ていた服の裏側で優しく拭き取った後、勇者の男根にいままでの
行為に対してお礼を言うかのようにキスをした。
それから勇者の服を元に戻し、自分も服を着てから再び勇者の顔をのぞき込んで微笑みな
がら勇者の寝顔に向かって呟いた。
「勇者さま、本当にありがとうございます。
わたし、今日の夜のことを一生の思い出にします。」
ローラはそう言うと、勇者に優しく口づけをした。
そして、名残惜しそうに勇者を見ながら、静かに部屋を出て自分の部屋に戻った。
部屋に戻ったローラはベットに横になると、身体に残っている微かな痛みが疼きだした。
ローラはその痛みを感じて、いままでの行為が夢ではないことを改めて実感し、自然と笑
みがこぼれだした。
そして寝ようと思って目を閉じた後もなかなか眠れないので、目を閉じている間も幸せな
気持ちのまま勇者のことを想い続けていた。
そうしたら、やはり先ほどの行為で身体が疲れたのか、自然とローラは深い眠りに落ちて
いった。
*
そして次の日の朝、ローラが目覚めて朝日を浴びようと思い1階に降りてみると、既に勇
者が準備を整えて椅子に座っていた。
「あっ、ローラ姫…おはようございます。」
「ゆっ! …勇者……さま……お、おはようございますっ!!」
ローラは思いがけず勇者に会ったことに驚いた。
そして、改めて勇者の顔を見て昨日の行為を思い出し、急に恥ずかしくなった。
しかし、自分を優しく微笑みながら見つめている勇者の目を見ると、恥ずかしくて逃げだ
したい気持ちだったが、なぜか一歩も動けず、さらに勇者の顔から目を反らすことができ
なかった。
そんなローラを見て勇者は不思議そうに首を傾げながらローラに聞いた。
「? どうされました?」
「い、い、いいえ……な、なんでも……ありません……」
ローラは赤くなりながらも、恥ずかしさを隠すようにそう返事をした。
「…そうですか…それではもうすぐ出発しますので、そろそろ準備をお願いします。」
「は、はいっっ!!」
ローラは上擦った声で返事をした後、まるで勇者の前から逃げ出すかのように急いで階段
を駆け上がった。
部屋に戻りドアを閉めた途端、ローラは先ほどの出来事を思い出して力が抜けたようにそ
の場に座り込んだ。
「ゆ、勇者さま……いきなりお会いするなんて……こ、心の準備が……」
ローラはそう言って自分の胸に手をあてて、大きなため息を一つ付いた。
そして、しばらくそのままでいたが、勇者が下で待っていることを思い出し、再び大きな
ため息を一つ付いて、なんとか心を落ち着かせた後、急いで準備を済ませて部屋を出て勇
者が待つ1階へ降りた。
「お、お待たせしました…」
「それでは、出発しましょうか。」
「は、はい…」
こうしてローラと勇者はこの旅の目的地であるラダトーム城へ向けて出発した。
街を出て草原に差し掛かる頃、ローラの歩くペースが目に見えて落ちてきた。
「…ローラ姫、だいじょうぶですか?」
「は、はい……大丈夫……です……」
ローラはそう答えたが、ローラの身体には昨日の行為の時に出来た痛みが再び蘇っていた。
勇者はローラの側に行き、ローラの顔を見ながら心配そうに言った。
「少しゆっくりと歩きましょう。」
「いいえ、平気です。」
勇者のその言葉は、ローラにとっては勇者と少しでも長く一緒にいられることを意味して
いて嬉しかったが、もし勇者の言ったことを受け入れると勇者へ自分が調子が悪いことを
告げ、勇者に心配をかけることになると思ったので、敢えて勇者には平然を装った。
「でも、昨日はかなりお疲れでしょうから、あまり無理をしない方が…」
「…えっ?」
勇者が言ったその一言はローラには一瞬なんのことだかわからなかった。
確か、昨日は無理などせずに、早めに宿屋に入ったはず…
不思議に思ったローラは勇者に聞いてみた。
「な、なんのことでしょうか?」
「いや、やっぱり昨日の夜にあれだけ…はっ!?」
ローラは勇者の一言に言葉を失った。
なぜなら、いまの一言を聞いた限りでは、あのときに勇者が起きていたのかもしれないか
らだ。
ローラは恐る恐る勇者に確認してみた。
「…勇者さま、もしかして昨日…」
「い、いや! 私は何も知りませんよ! うん、何も知らない!!」
勇者はそう言っているが、勇者の慌てよう…
ローラの予想は確信に近かったが、敢えて確かめるために、昨日起きていないとわからな
いような内容を勇者に言ってみた。
「そういえば、わたし着替えるのを忘れてしまって昨日と同じ下着をはいていたのでした
…どうしましょう…」
「え? 昨日のって、あの白いレースの?」
ローラは勇者のその言葉で完全に確信した。
「…勇者さま…よく知っていらっしゃいますね……やっぱり……」
「!? い、いや、それは…その…」
ローラは俯きながら、普段よりも1オクターブは低いであろう声でそう言った。
その途端、勇者は顔から目に見えるほど汗が吹き出してきた。
ローラはゆっくりと顔を上げ、勇者を昨日の恥ずかしさと怒りで顔を真っ赤にしながら見
つめ、そして身体を震わせながら言った。
「わたし、すっごく恥ずかしかったのに…勇者さまの……勇者さまのばかぁ!!」
そう言った途端、ローラは目に涙を浮かべ、さらに身体の痛みなど忘れたかのように勇者
を追いかけはじめた。
大きな声を出し怒りながら追いかけるローラ、そして謝りながら逃げる勇者……その追い
かけっこは、ラダトーム城が目に見える付近まで続いた。
*
いつしか、2人はラダトーム城の前に着いた。
そのころになると、ローラは怒りも恥ずかしさも消え、勇者を別れなければならないとい
う寂しさだけがローラの心の中に溢れていた。
「ローラ姫…」
「……はい……」
ローラは勇者の呼びかけに答え、ゆっくりと勇者の方を向いた。
勇者はそんなローラを見て、微笑みながら言った。
「待っていて下さいね、きっと迎えに来ますから…」
「…えっ!? それは、もしかして…」
ローラは勇者のその言葉に耳を疑った。
そして、何も言えないまま勇者の顔を見ているローラに、勇者は言葉を続けた。
「だから、待っていてね…ローラ…」
その一言に、ローラはさっき聞いた勇者の言葉が聞き違いではないこと確信し、目からは
自然と涙が流れてきた。
勇者が自分を呼び捨てで呼んでくれた……そして、迎えに来てくれると言った……その言
葉だけで、ローラはいつまでも勇者のことを思い続けながら待っている自信を身につけた
気がした。
「…はい……はい、わたし…ローラはずっと勇者さまだけをお待ちしております…」
そう言って、ローラは勇者に抱きついた。
勇者は胸の中で泣くローラを優しく受け止め、そして2人はローラ姫が泣きやんでもずっ
とお互いを抱き締め合っていた。
しばらくして、どちらからともなく名残惜しそうに離れた2人は、並んでラダトーム城に
入った。
そして、無事にローラを城に送り届けた勇者は、ローラに戻ってくることを約束するとロ
ーラの見送りを受けながら再び竜王を倒すために旅立っていった。
エピローグ:新たな旅立ち
数週間後、勇者は再び城へ戻ってきた。
竜王を倒し、それを王に報告するために…
勇者が城に着くと、門番が勇者に気づき急いで城内に入っていった。
しばらくして大勢の兵が城から出てくると、歓喜の声を上げながら勇者を城内に招き入れ
た。
そして勇者が謁見の間に通されると、王と王妃、そしてローラ姫がいた。
王は勇者を見た途端、歓喜しながら勇者に向かって言った。
「よくやった、勇者よ、何か望むものはあるか?」
勇者は謁見の間で跪き、そして顔を上げて王の顔を見ながら…
「はい、ローラ姫を賜りたく…」
そう言った。
その途端、王は歓喜の表情から一転してひきつった表情になった。
だが、ローラは喜びの表情を浮かべた。
「なっ!? ロ、ローラを……」
「勇者さま…」
「う〜ん…ローラをか……だがな……」
王はそう言って難色を示したが、ローラは王の答えに聞く耳を持たないかのように、勇者
に向かって走っていった。
そしてローラは勇者の前まで走り寄ると、呼吸を整えるために数回深呼吸をした。
「ローラ、来てくれるね?」
落ち着いてきたローラに勇者は微笑みながら言った。
「…はい、どこまでも付いていきます。」
ローラはその言葉を聞き、勇者の胸に飛び込んでいった。
その光景を見て、王は自分が何を言っても無駄だと悟り、ローラを勇者の元へ行くことを
許した。
「…どうやら、何を言っても無駄のようだな……よかろう! 好きにするがよい!!」
「ありがとうございます。」
「お父様……ありがとう!!」
ローラと勇者はその言葉を聞き、王に礼を述べると、2人で謁見の間を後にした。
*
城を出た2人は寄り添うかのように歩いていたが、不意にローラが勇者に向かって甘えた
ような声で言った。
「ねぇ、勇者さま…」
「なんだい? ローラ…」
ローラの問いかけに勇者は立ち止まり、ローラの方を向いて聞いた。
「今度は…今度こそは、勇者さまと…本当に…」
ローラは俯きながら勇者にそう言った。
勇者はそれを聞くと、ローラの頭を撫でながら…
「うん、わかっているよ…思いっきり、ローラの気の済むまで愛してあげるからね。」
そう、微笑みながら言った。
その言葉を聞いてローラは安心したのか、顔を上げて勇者を見ながら微笑んだ。
「はい、ありがとうございます、勇者さま…」
勇者は微笑んでいるローラの肩を抱いて、自分の方へ向かせた。
ローラは一瞬だけ身体を硬直させたが、自分の目を見つめている勇者がしようとしている
ことを悟り、ゆっくりと目を閉じた。
「ローラ…」
目を閉じているローラに勇者は自分の顔を近づけて軽くキスをした。
そして唇が離れると同時に2人は目を開けて見つめ合った。
「勇者さま……ローラは…ローラは幸せです……」
そう言って目を潤ませるローラ…
そして、そのローラを優しく抱き寄せる勇者…
2人の新たなる旅は、いまここから始まる…
END
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