HOLY WATER OF ANGEL

「んあ・・・はあん・・・うう」
 ヘンリーはマリアの花弁を舌で攻める。
「ふうん・・・ああ・・・あん・・・」
 ベッドの上で絡み合うのは、結婚してからこれで四、五回目になるだろうか。しかし、困ったことがあった。もっとも、困っているのはマリアだけだったが・・・。
「ああっ、だ、だめ、また・・・」
「!」
 ぷしゅっ、しゃあああ・・・・マリアの花弁から聖水が吹き出した。聖水は勢い良くヘンリ−の顔に衝突し、そこから流れ落ちてシーツに染み込んでいった。
「ごめんなさい・・・私・・・また・・・」
「いいっていいって」
 謝るマリアにヘンリーはそっとキスをする。ちょっぴり潮の味がする。
 ヘンリーに花弁をいじられ、絶頂に至る度に、マリアは聖水を吹いてしまうのだ。時には強く触られただけで出てしまうこともある。水分は控えているし、トイレにも前もって行っているのだが、それでも出てしまう。いざ「こと」が始まると、緊張して体内に聖水がすぐにたまってしまい、花弁をいじられてゆるんだ扉から出てしまうのだ。
 あれは初夜の翌日、洗濯をしていて、侍女にその跡を残したシーツが見つかって大恥をかいてしまった。しかし侍女は、シーツを汚したことをとがめはせず、「初夜の証しのついたシーツを洗えて名誉なことです」とフォローしてくれたが、余計にマリアは恥ずかしかった。
 次に交わったときからは、二人でこっそり洗うことにした。しかし、こんなことが毎回では、ひょっとしたら、ヘンリーは怒っているかもしれない・・・マリアは不安だった。
「怒ってないですか?」
 思い切ってマリアは聞いてみた。
「どうして?」
「がまんできなくて・・・いつもおもらししちゃって・・・」
「怒るはずないよ。うれしいよ」
 ヘンリーはやさしい笑顔で答える。
「え?」
「そんなに気持ちいいのかなって思うと、うれしいよ」
「えっ、そんな・・・」
 マリアは真っ赤になって下を向いた。
「それじゃいくよ・・・」
「は・・・はい・・・」
 マリアを寝かせて両脚を持ち上げると、ヘンリーは一気に棒を突き入れた。
「ううっ、きつっ・・・」
 中はいつもより締め付けが激しく、煮えたぎるような熱さだった。懸命に腰を前後させる。
「ああっ!ああぁん・・・んあっ!」
 先ほどのマリアの失禁シーンを目の当たりにして興奮した棒は、すぐに限界になってしまいそうになる。
「くぅ、すごい、すごいぞぉ・・・」
「ふあ・・・ああ、ああん、くぁっ・・・」
 棒が中で動く度に、マリアの体内を電撃にも似た刺激が突き抜ける。もう痛くはないが、あまりの激しさに失神してしまうこともしばしばだ。
「うう、もうだめだ、出すぞ!」
「あああ、わ、私も・・・ああっ!」
 ヘンリーが射精すると同時に、絶頂を迎えたマリアは再び失禁した。さっき出したはずなのに、また出た聖水は止められない。しゃあああっと音を立てて、ヘンリ−の太股を濡らした。その温かさに、ヘンリ−はたまらない快感を感じていた。
・ ・ ・ ・ ・ ・
「ごめんなさい・・・どうして私って・・・お下(しも)のくせが悪いのかしら・・・」
 泣き顔で謝るマリアを、ヘンリ−はそっと抱きしめた。
「あったかくて気持ちよかったよ。お下のくせが悪いマリア、大好き!」
「いや・・・いやぁ、そんなの・・・」
 マリアは真っ赤になって毛布で顔を隠した。
「さ、シーツ洗おうね」
「は、はい・・・」
 ヘンリーがつまみ上げたシーツには、見事に大きな地図が描かれていた。
「今日はどこの地図かな?うーん、これはグランバニア大陸かな?」
「いやぁ、言わないで・・・いじわる・・・ぐすん・・・」
 マリアの眼から、一粒、二粒と涙がこぼれた。
「ごめんごめん、冗談だよ」
 ヘンリ−はマリアをしっかりと抱きしめた。
・ ・ ・ ・ ・ ・
 ラインハット王家の若夫婦、ヘンリーとマリア。まさにおしどり夫婦の見本であった。
 ヘンリ−は子供っぽいところもあるが、やさしくて面倒見がいい。マリアはかわいくて、気立ても最高にいい。掃除、洗濯などの家事が大好き、もう言うことなしの最高の奥様だった。
 しかし、彼女はとても内気かつ繊細で傷つきやすかった・・・。
・ ・ ・ ・ ・ ・
 ・・・マリアが三人の女に囲まれている・・・。
「どうして私をいじめるの?私がなにしたって言うの」
「簡単よ、あんたってトロくさくて、見ててイライラするからよ!」
「いや、やめて、いやあっ!」
・ ・ ・ ・ ・ ・
「どうした、マリア!」
「あっ・・・」
 マリアが目を覚ますと、そこはベッドの上。ヘンリーの胸が彼女の目の前にあった。
「怖い夢を見たのか?」
 見上げると、ヘンリ−が心配そうな顔をしている。
「ううっ、ああぁぁ・・・」
 マリアはヘンリーにしがみつくと、声を上げて泣き出した。
「大丈夫、大丈夫だから、俺がいるから・・・」
 彼はそう言うだけで精一杯だった。
・・・どうすりゃいいんだ・・・魔法は身体の傷は治せても、心の傷は治せないし・・・
 マリアは学校でずっといじめられていた。いじめられる毎日から逃れたいために、『光』教団に入ったのだが、そこでさらに地獄を見ることになった。だが皮肉なことに、教団に入ったから、ヘンリ−に出会えたというのも事実だった。
「ううっ、ぐすぐすっ・・・」
 マリアはヘンリ−の胸の中で泣きじゃくった。
「私・・・私、怖いの・・・怖い・・・」
 その時、マリアは自分の頬に上から暖かい雫が落ちてきて、はっと我に返った。
「ヘンリーさま・・・」
 涙・・・自分の無力さを呪ったヘンリーの涙だった。見上げると、彼の頬に涙の跡が見えた。それを見て、マリアは胸が熱くなった。ヘンリーの背中に手を回すと、そっと背中をなでた。
 二人はしばらく抱き合っていた。
・ ・ ・ ・ ・ ・
「いいかい?」
「はい・・・」
 ヘンリ−がマリアの下の寝間着を下ろすと、薄い水色のパンティが現れた。ややハイレグの、薄めの生地だった。
「おっ、ちょっと大人っぽいパンツ・・・いや、パンティだな」
「は・・・恥ずかしいですぅ・・・」
 今まで子供っぽいパンツしか履いたことがなかったから、ちょっと背伸びして履いてみたパンティだった。
「変ですか?」
「変じゃないよ、セクシーだよ。うーん、いいにおいだ・・・くんくん・・・」
 ヘンリーはマリアの股に鼻を寄せると、音をたててパンティのにおいをかいだ。かすかに甘酸っぱいにおいがする。
「いやぁ・・・においかがないで・・・」
 マリアは顔を手でおおっている。ヘンリ−は指でパンティ越しに花弁を軽く押してみた。
「ふぁっ・・・!」
 マリアの体内を電流が走った。シーツを握る手は震えている。さらにヘンリ−は指で花弁を攻める。
「あっ・・・ああうっ・・・ふうん・・・」
 もっと強く攻めようとしたその時、マリアの下半身をぞくっとした感覚が襲った。
「あ、待って!」
「どうしたの?」
 ヘンリ−は驚いて指を止める。
「お・・・お手洗い・・・」
 マリアは頬を真っ赤にして、小さな声で言った。
「いいよ、このまましちゃって。シーツは後で俺が洗ってあげるから」
 ヘンリ−はやさしく言った。
「じゃあ・・・いいですか・・・?」
「うん、いいよ・・・」
 マリアは全身の力を抜いた。思い切ってこのまま、大胆に・・・。
「いや・・・やっぱり・・・だめ・・・たれ流しなんて・・・できない・・・」
 半泣き顔で、首を振りながらマリアが答えた。自分の下のくせの悪さで、ヘンリ−に迷惑をかけてばかりなのは耐えられない。それに、ヘンリ−を汚してしまうという罪悪感を消すことができない。彼が怒らない、怒るどころか喜んでくれるのはわかっているのに。本当は初めての夜のように恥ずかしさを忘れてみたいのに、どうしても心の迷いが邪魔をしてしまう。
「そうか・・・シーツを濡らしちゃうのはいやか・・・だったら・・・」
 ヘンリーは一旦ベッドを下りると、すぐそばにあるタンスを開けて中を探った。
「あったあった。これを敷いたらどうかな?」
 そういってビニールシートを取り出した。芝生の上で食事をするときに敷くシートだ。
「これを敷けば、シーツを濡らさないよ」
「あ、それいいですね」
 ヘンリーはベッドの上にシートを敷いた。マリアは横に座って見ていた。
「シーツはこれでいいけど、やっぱり・・・ヘンリ−さまを・・・汚しちゃうから・・・」
「汚してなんかないよ」
「・・・」
「魔法の聖水、かけてほしい」
 ヘンリ−はやや照れ気味に言う。
「えっ・・・おしっこが・・・魔法の聖水だなんて・・・」
 マリアも恥ずかしそうに言う。
「マリアだけが使える魔法・・・俺の心の傷をいやしてくれる、天使の聖水・・・」
「えっ・・・そんな・・・天使って・・・私なんかが・・・」
 天使という言葉に、彼女はあわてた。
「マリア・・・ほんとに天使だって思っちゃうよ・・・やさしくて・・・かわいくてスタイルよくて・・・俺にはもったいないくらいの最高の妻だ・・・」
「ぐすっ・・・ぐすぐす・・・」
 マリアが泣いている。今度はヘンリーがあわてた。
「どうしたの?何か俺、ひどいこと言った?」
「違うん・・・です・・・うれしくて・・・ぐすっ・・・すごく・・・うれしくて・・・」
 目に涙をためながら、マリアは微笑んだ。
「俺も・・・うれしいよ・・・」
 ヘンリ−はマリアをそっと抱きしめた。
・ ・ ・ ・ ・ ・
 マリアはあぐらをかいたヘンリ−のひざの上に乗った。
「いい?いくよ・・・」
「はい・・・」
 ヘンリ−の指がパンティの上からマリアの花弁をこする。体内の聖水がうねり出した。
・・・だめだめ、出しちゃだめ・・・
 マリアは苦悶の表情を浮かべる。それさえも何と美しいことか。
「ああっ、ふぁっ、くぅん、ううっ」
 聖水が出口の扉を激しく押す。花弁を指で刺激されるたびに、扉が破られそうになる。
「あああ、くぅ、だめ、私・・・も、もれちゃう・・・」
 体内で暴れている聖水の責めに必死に耐える。責めに耐えるぞくぞくとした快感が、マリアの下半身を襲う。苦悶しつつ快感を感じている妻の表情に反応して、ヘンリ−の下の寝間着は股間部に大きな隆起ができていた。身悶えして身体を動かすマリアの尻に、隆起の先端が突き刺さり、尻の動きで激しく刺激される。
・・・ううっ、いいっ、俺も出ちゃうかも・・・
「あん、ああ・・・うぅん、ああ・・・」
 パンティは蜜ですでにぐっしょり濡れていた。聖水は抑えられても、蜜はおさえられない。
「ああ、で、出るぅ・・・だめぇ・・・」
 がまんしきれなくなり、扉の少しこじ開けられたすき間からちょろちょろと湧き出た聖水がパンティを濡らしていく。
「あああっ!」
 ぷしゃあああ・・・扉を突き破った聖水が堰を切ったようにあふれ出した。噴き出した聖水はパンティを突き抜け、ヘンリ−の下の寝間着を濡らし、ぱたぱたと音を立ててビニールシートに落ちていった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・私・・・出しちゃった・・・」
・・・か・・・かわいいーっ!!
 寝間着を濡らした聖水の温かさと、身体をかすかに震わせながら、目を潤ませ、肩で息をしている妻の姿に、ヘンリ−の中のマリアへの愛情と欲情はたちまちのうちに同化してしまった。
 二人は再び唇を重ねると、舌を激しく絡ませた。
「パンティ、脱がせていい?」
「はい・・・もう・・・びしょびしょで・・・べとべとしてて気持ち悪い・・・」
 ヘンリ−はマリアのパンティをゆっくりと下ろし始めた。粘り気のある蜜が、花弁とパンティの間に糸を引く。
「ああ・・・マリアの・・・べとべとのおもらしパンティ・・・いいにおいだ・・・」
「やぁっ・・・いやぁ・・・汚いのに・・・」
 くんくんと、音を立ててにおいをかぐ。潮と甘酸っぱさが混ざったにおいが鼻をつく。においを堪能したあと、パンティに付いたべとべとの蜜をなめ始めた。
「ああ・・・おしっこと蜜がハーモニーになって・・・」
「や・・・やぁん・・・」
 もうマリアは恥ずかしくて見ていられない。手で顔をおおっている。
「あ、いけないいけない、マリアを忘れてたね」
 ヘンリ−はマリアの上の寝間着を脱がせ、ブラジャーもはずした。決して大きくはないが、形のいい胸があらわれた。
「すごくきれいだ・・・」
「あ、あんまり見ないで・・・恥ずかしいです・・・」
 何度見ても飽きない、美しい身体だった。
「胸、やわらかくて最高!」
「ああっ・・・ふぅん・・・」
 撫でたり、軽くもんだりしているうちに乳首は固くなった。ヘンリ−に乳首を吸い上げられ、マリアの目はとろんとする。
「ああ・・・ふかふかで・・・あったかい・・・」
「ああっ・・・ヘ・・・ンリ−さ・・・ま・・・」
 ヘンリ−は胸に頬ずりしてみる。すごく柔らかい。マリアは快感に身をゆだねている。
「じゃ次は下だよ」
「はい・・・」
 ヘンリ−はマリアの両脚を持ち上げると、股に顔をうずめ、十二分に濡れた花弁をなめる。
「あはぁん・・・ふぅん・・・だめぇ・・・汚いわ・・・ああっ・・・」
 マリアは喘ぎ声を止めることができない。恥ずかしいのに、上ずった甘い声が出てしまう。その声を聞かされては、もうたまらない。ヘンリ−は下の寝間着を脱いで、自分の棒を軽く握った。
「じゃそろそろいくよ」
「は・・・はい・・・」
 棒の先端で花弁をくすぐると、蜜がまとわりついた。
「よいしょっと!」
 一気に棒を中に突き入れた。
「ああっ・・・!ああう・・うん・・・」
 電流がマリアの体内に走った。この感覚はどうやっても慣れることができない。ヘンリーが腰を前後させるたびに、電撃が体内を駆け抜ける。
「あっ!ああん・・・ふああっ・・・」
 初めてのときは痛みに耐えるだけで精一杯だったが、回を重ねるごとに甘美な感覚が増していくのを感じていた。快楽のうねりが全身を包んでいく。いけない、いけないと思いながら、さらなる快感を求めて、花弁に蜜があふれてしまう。
「くぅ、締まる、締まるぜ、きついっ・・・」
 中は蜜でぬるぬるしていて、かつ煮えたぎるように熱かった。うごめくように秘肉はヘンリーの棒を締めつける。
「どう?どんな感じ?」
 腰を動かしながらヘンリーが聞く。
「き・・・気持ち・・・いい・・・もっと・・・ほ・・し・・・」
・・・ああ、とうとう言ってしまったわ・・・もっと欲しいと・・・
 ずっとされるまま受けるままだったマリアが、初めて自分からヘンリ−を求めたのだ。
「よし、もっとだな・・・」
 ヘンリ−はマリアの唇を唇でふさぎ、口の中に舌を差し込んだ。舌で中をこね回す。よだれがいく筋もの流れをつくって二人の口から流れていく。
「んむ、ん、んん・・・」
 二人は激しいキスを続ける。
「くぅ、いいぞ、いい・・・」 
「あん、あああ、ひっ、ううっ・・・」
 マリアは縦方向に腰を上下させる。みっともない、はしたないと思っても止めることができない。
「ああっ、あん、ああん、あうん・・・」
 二人の中に大波が押し寄せてきた。マリアの目の前がかすんでくる。
「ああっ、だめ、だめぇ・・・あっ、もう・・・ああっ!!」
「お、俺ももう出そうだ、イキそうだよ・・・」
 ヘンリーはマリアを思いきり抱きしめた。
「ううっ、もう・・・俺・・・」
「ふあっ、あっ、ああああっ!」
 二人は同時に果てた。
「マリア・・・好きだ・・・大好きだ・・・」
「ヘンリーさま・・・好き・・・大好き・・・」
 マリアはヘンリ−に抱きしめられながら、歓喜の涙を流していた。
・ ・ ・ ・ ・ ・
 ビニールシートを片付けて、二人はベッドに横たわった。
「私・・・まだ過去から訣別できていないんですね・・・」
 ヘンリ−に軽くしがみつきながらマリアが言った。
「それは俺だって同じだよ。まだ、城のメイドとあまり話ができないんだ。でも俺、思うんだけど、トラウマは消すものじゃなくて、向き合っていくものなんじゃないかって。キザな言い方だけどさ」
 二人は鼻が擦れ合うほどに顔を近付けた。
「私・・・もうくよくよしないでがんばるわ・・・。あなたがいるから・・・大丈夫・・・」
「俺も・・・マリアがいるから・・・大丈夫だよ・・・」
 二人は軽くキスをした。 
・ ・ ・ ・ ・ ・
 ヘンリーは思う・・・。
 ・・・幼かったあの頃、俺なんかどうせ誰にも必要とされてないから、ひとりぼっちで何が悪い、と思ってたんだ。やさしさなんていらないって思ってたんだ。でも本当は、女がこわいのを認めたくなかっただけなんだ。だけど今は違う。自分に正直になれた時、何かが変わったんだ・・・。
 俺だって変われるものだ・・・。
 俺を変えてくれたのは・・・
「あなた、新兵さんの訓練って、どんなことをするんですか?」
「そうだな、まずはスタミナ作りからだな。主にランニング、筋力トレーニングだ」
・ ・ ・ ・ ・ ・
 マリアは思う・・・。
 ・・・大丈夫、私は幸せだから。もうひとりじゃないから。たとえ、過去がまた私を苦しめるとしても、そばについていてくれる人がいるから・・・。
 そう、私だって変われる・・・。
 私を変えてくれたのは・・・
「あ、そうだ、新しい紅茶が手に入ったらしいね」
「ええ、とってもおいしいんですって。お食事の後に入れますね」

END



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