アルカパの夜
 
 夜も更けた、アルカパの宿屋。
 シールンはふと、目を覚ました。ビアンカがなにか考え事をしているようだ。
 「あ、ごめんね、起こしちゃった?」
 「いや、いいけど。それよりどうしたの?」
 「ううん、ちょっとね・・・昔のこと、いろいろ思いだしちゃって・・・」
 「昔のことって?」
 「うん、宿屋閉めてから、仕事から解放されたのはいいけど、それでかえってやることがなくなっちゃったの。お父さんこれからだいじょうぶかなあって」
 「あ、そうか・・・そうだよな」
 ビアンカは少し間を置いて、ためらいがちに聞いた。
 「ねえ、そばに行ってもいい?」
 一緒に寝てと言うのか?
 「あらなによ、いじわる。でも行っちゃおうっと」
 ビアンカはシールンのそばに座った。
 「シールン・・・愛してるわ・・・」
 「ビアンカ・・・愛してるよ・・・」
 二人は自然に唇を重ねた。舌を絡め、吸い合った。唇が離れたとき、ビアンカはシールンの胸に寄りかかった。
 「シールン・・・あたし、怖かったの・・・ずっと・・・」
 涙声になっている。
 「レヌール城か、僕だって怖かったさ。怖いのなんのって、もうちびりそうだったよ」
 「違うの、フローラさんの方を選ぶんじゃないかって・・・あたし、フローラさんと違って女らしくないし、色気はないし、何一つかなうものがないから・・・」
 「・・・・・・」
 ビアンカは耐え切れなくなって、泣き出してしまった。
 「滝の洞窟だって、力になるなんて大口たたいて、結局足手まといになっただけだし・ ・・うえっ、ううっ、ぐすっ」
 ビアンカは声を上げて泣いた。こんなに泣いたビアンカを見たのは初めてだ。
 「あの夜だって・・・シールンに気持ちを伝えたかった。でも言えなかった。だからシールンのために・・・フローラさんのために身を引こうと思ったの。ほんとは、あのプロポーズの時だって今みたいに泣きたかった。でも・・・」
 「もう何も無理しなくていいんだ。やっと素直になれたんだから・・・だから笑ってくれよ」
 「うん・・・」
 ビアンカは精一杯の笑顔を作って見せた。シールンはビアンカの涙を指で拭った。
 「ねえ・・・抱いて・・・好きにしていいよ・・・」
 「・・・わかった・・・じゃ、さわっていいか?」 
 ビアンカはこくりとうなづいた。
 シールンは思いきりビアンカを抱きしめると、そっとベッドに横たえた。 右腕を延ばし、彼はビアンカの胸をにぎった。まるでゴムのように弾力があって、それでいてマシュマロのように柔らかい、奇妙な感触が指先に伝わった。
 「あっ・・・シールン、大胆・・・」
 震える手で、シールンはビアンカの胸を、尻をまさぐった。尻はゼリーのようにプルンとした感触だった。ビアンカは抵抗しなかった。尻に右手をはわせながら、シールンは左手を彼女の寝間着の中に入れた。
 「ああっ・・・」
 ビアンカはうめき声をあげた。体が熱くなってくるのがわかった。股の割れ目が濡れてきた。シールンは右手で胸をもみながら、左手でビアンカの寝間着を下ろした。むき出しになった純白の下着はすでにぐっしょり濡れていた。
 「あ、濡れてる・・・おもらししちゃったの?」
 「ち、違うの、おもらしじゃないのっ!」
 「じゃ、なんで濡れてるんだよ」
 「そ、それは・・・その・・・」
 本当のことを言ったらおもらしよりも恥ずかしいかも。まさか、感じて濡れた、なんて言えない。
 「やっぱりおもらしだ。わー、みっともなーい」
 「やだ、違うって言ってるでしょ!」
 「あらあら、おしめ取り替えましょうねえ、おもらしビアンカちゃん」
 「もう知らないっ!シールンのいじわるっ!ヘンタイ!」
 顔を真っ赤にしてビアンカが言う。赤く染まった頬に、シールンは口づけると、パンツの上から濡れた割れ目を指でいじった。
「あっ・・・だめ・・いけないわ・・・」
 そう言っていてもビアンカは気持ち良さそうだ。
 「ああん・・・だめ・・だめよ・・・だめだめ・・ああ・・・いい・・」
 ビアンカの口から甘い声と一緒に一筋の液体が流れた。
 「ビアンカ、よだれたらしてる。ほんとに赤ん坊みたいだあ」
 にやりとして、シールンが言った。
 「やだ、あたしったら!」
 あわててビアンカはよだれを手でふいた。それを見たシールンは微笑んだ。ビアンカも恥ずかしそうに微笑むと、シールンに抱きついてささやいた。
 「やさしくしてね・・・」
 シールンはビアンカにそっとキスをすると、いきなりビアンカの服を脱がせ始めた。
 「あ・・・いや・・」
 それでもビアンカはされるままになっている。上の寝間着を脱がせ、シルクのブラジャーをはずし、最後に薄めのパンツを下ろした。
 シールンの目は、裸になったビアンカに釘付けになっている。
 薄く日に焼けた素肌。胸はそんなに大きくないが、形はいい。ウエストは細くて、脚はすらりとしていて、薄く筋肉がついている。秘唇はうっすらと恥毛に覆われていた。
 「やだ、そんなに見ないで、胸小さいし、脚太いし」
 「そんなことないよ、もっと見せてよ」
 「いや・・・」
  ・・・ああっ、シールンに見られてる・・・あたし・・・視姦されてるんだ・・・恥ずかしいはずなのに・・・見られて気持ちいいのかな・・・
 ビアンカは金縛りにあったように動けない。
 「胸、こんなにあるのに、小さくなんかないよ」
 シールンは目の前の乳首に吸い付いた。ビアンカの体がビクンと反応した。
 「ああっ・・・シールンたら・・・甘えんぼうなんだから・・・」
 シールンは強く乳首を吸う。ビアンカはちょっと痛い。痛いからさっきのお返しとばかりに言う。  「よちよち、シールンちゃんはおっきな赤ん坊でちゅねえ。いっぱい飲んで大きくなるのよ、なーんて、残念だけどおっぱいは出ないからね」
 そのかわりにビアンカの秘所から、母乳ではなく、愛液が湧き出てくる。これを飲んでも大きくはならないか。
「おっぱい出ればいいのになあ。これで砂漠も大丈夫、なんちゃって」
 「あたしは貯水タンクじゃありません!」
 プイとビアンカはそっぽを向いた。
 「ごめんごめん、冗談だよ。むぐっ」
 シールンはビアンカの胸の谷間に顔をうずめた。
  「ねえ、こういうの、ぱふぱふっていうのかな」
 「ばか・・・」
 「ぱふ、ぱふ、ぱふ」
 顔をうずめたまま、胸を横から手でぽんぽんとたたく。
 「ああん、もう・・・ぱふ、ぱふ、ぱふ」
 ビアンカも自分の手でぽんぽんとたたく。
 「ねえ、気持ちいい?」
 「うん、すごくいいよ・・・ぱふ、ぱふ、ぱふ」
 「ぱふ、ぱふ、ぱふ」
 「もっと気持ちいいことしようか?」
 「え?」  シールンはいきなりビアンカの両脚を大きく広げると、秘唇をなめ始めた。
 「え!?だめ、そんなとこ・・・」
 ビアンカは嫌がるそぶりを見せたが、本当は気持ちいいのがすぐわかる。
 「ああっ・・・うん・・・ううん」
 快感がどんどん広がってくる。目は恍惚としていた。シールンの舌が中で妖しくうごめいている。快楽にむしばまれてゆく・・・
 「ああっ、いい・・・良すぎて、ほんとにおしっこもれちゃいそう」
 シールンがにやりとする。
 「なら、いっそもらしちゃえよ」
 「え!?やだあ、恥ずかしい。え!?ちょっと!」  
シールンの右手が秘部にのびてくる。
 「いや、やめて・・・」
 ビアンカは抵抗しようとしたが、シールンに身体ごと抑えこまれて動けない。指は非情にビアンカを攻撃する。尿意と快楽がビアンカを襲う。
 「ほらほら、もらせもらせ、思いきりもらしちゃえ」
 「やめて、本当にやめて!あっ、もれちゃう!・・・ああん、もうだめ」
 ビアンカの割れ目から噴水が吹き出した。同時にビアンカの中をすーっとした快感が通り抜けた。   

 シーツに描かれた地図から、生温かい湯気と潮のにおいがたちのぼる。
 「ばか・・・おしっこ出ちゃった・・・やめてって言ったのに・・・」
 「気持ち良かっただろ、いっぱい出して」
 「知らないっ」
 ビアンカはそっぽをむいた。シールンは再びビアンカの割れ目をなめ始めた。
 「ちょっと、汚いわよ、そんなとこ」
 「汚くなんかないよ。ちょっとしょっぱいけど」
 ・・・ああ・・・シールンがあたしのおしっこをなめてる・・・いやなのに・・・どうしてこんなに気持ちいいの・・・
 「ああっ、うん・・・ああっ」
 ビアンカはびくびくと痙攣した。それを見計らって、シールンも裸になった。
 「わっ、大きいのね」
 「大きい?このスケベ女」
 「なによう」
 ちょっとすねてみせる。
 「そんなこと言ったら、こんなことしちゃうもんね。はむっ、はむっ」
 「あ・・・よせよ・・・」
 ビアンカは肉棒をくわえこんだ。
 「うっ、ああっ、うっ」
 「きゃーっ、シールンがあえいでる。この、このっ
」  奥までくわえ込み、激しく吸う。舌で肉棒の先端を攻撃する。
 「あっ、ビアンカ、もう・・・」
 「!!」
 ビアンカの口の中で、白い液体が肉棒から噴き出した。
 「あっ、いけね・・・」
 ビアンカは液をゴクッとのどを鳴らして飲み込んだ。
 「シールンの、おいしいね」
 「ビアンカ・・・」
 シールンはビアンカの顔についた精液を舌でなめ取った。
 「こんなのおいしいの?」
 「うん・・・シールンのもきれいきれいしてあげる」
 二人は互いの身体を猫のようになめあった。
 「ねえ・・・欲しい・・・」
 ビアンカがシールンをなめながら言う。だが、シールンは不安だった。
 ・・・ちゃんと入るかな・・・入らないとビアンカ笑うかな・・・
 「ねえ、早く・・・もうがまんできないの・・・あ、おしっこじゃないわよ。さっき出しちゃったもん」
 ビアンカがにやりと笑う。シールンも笑った。
 「うん、じゃ入れるよ・・・」
 思いきってシールンはビアンカのヴァギナにペニスを突き刺した。ずぷっ、ずぷぷっ、ずぷぷっ、と奇妙な音をたてて入っていく。
 「痛い!」
 ビアンカに焼けるような痛みが走った。シールンはペニスを抜いた。
 「ビアンカ・・・初めてなのか」
 「うん・・・だって・・・相手なんかいないもん」
 「今夜はやめようか?」
 「ううん、やめないで・・・」
 「ビアンカ・・・痛いだろうな」
 「うん・・・でも、どんなに痛がってもやめないで。がまんするから」
 「わかった」  シールンは再びペニスを突き刺した。ビアンカの下半身を痛みが貫く。
 ・・・痛い、ちぎれそう!裂けちゃう!ああっ!
 ビアンカは身をよじらせ、シールンにしがみついて痛みをこらえた。
 「ああっ、あっ、痛いよ、あうっ、ひっ、だめっ、痛い、ひぐっ、ううん」
 ビアンカはこらえきれず、涙を流した。泣きながら、痛みに耐えた。
 ・・・あ、痛くなくなってきた・・・なんか気持ちいい・・・
   さっき以上の甘美が染みわたってきた。この快楽にだんだん飲み込まれて行く。
 「いい、はあ、すごくいい、はあ、いい・・・」
 ビアンカの肉壁はシールンを締め付ける。シールンももう止められない。
 「ビアンカ、すごいよ、ギュウギュウ締まってつぶれそうだよ」
 「シールン、もっと、もっと強く動かして!ああっ、あっ、いい」
 シールンの動きが激しくなっていく。右、左、上、下、横、縦、斜め、もう四方八方乱れとでもいうような動きだ。ビアンカも腰を動かす。ヴァギナはぐちゅっ、ぐちゅっと音をたてる。もう二人とも限界に達する寸前だった。

 「ああっ、あたし、もうっ、だ、だめっ・・・ああっ・・・」
 ビアンカはがくがくと痙攣した。同時に肉壁が急激に収縮した。
 「うっ・・・うぐっ!」
 シールンはビアンカの中に、大量の熱い液体を放出した。長く、そして激しく奥を打ちつける射精だった。
 「すごく良かったよ・・・ビアンカ」
 「シールン・・・好き・・・好き・・・大好き・・・」
 涙声でビアンカが言う。
 「もう一回する?」
 「うん・・・」
 その後二人は何度も絡み合い、愛しあった。
     

 「うん、これで乾いたな」
 二人は洗いたてのシーツを敷いたベッドに横たわった。
 「そう言えば、シールンが4つのときおねしょしたことあったよね」
 「あれ、そうだっけ」
 「そのときあたしが後始末してあげたのよ」
 「覚えてないなあ」
 「うそばっかり」
 「でも今日おねしょしたのはビアンカだ」
 「ちょっと、こんなのおねしょって言わないわよ!シールンが変なことするから出ちゃ ったんじゃない!」
 シールンはパンツをひょいと取り上げた。
 「ちょっと、返してよ」
 「おっと、わー、びしょびしょだ。くんくん」
 シールンはわざとらしくパンツのにおいをかいだ。かすかに潮のにおいがした。
 「やだ、においかがないで、返してったら」
 「だーめ、おねしょする子はおしめして寝なさいっ」
 「何よっ、いじわる!最低!変態!」
 ビアンカはもう半泣きだ。いや、うそ泣きだとすぐにわかった。
 「ほらほら、泣かないの、よしよし、いい子いい子」
 シールンはビアンカの頭をそっとなでた。
 「もう、調子いいんだから・・・」
 ビアンカはそっとシールンに寄りかかった。しばらく二人は静かに抱き合っていた。
 「あーあ、眠くなってきたな。お休み」
 「お休み・・・」
 二人は軽くキスをすると、重なり合ったまま目を閉じた。
 「あ、エッチ!お尻さわったあ」
 「あ、こら、ビアンカだって・・・」
 あっちこっちさわりあっているうちに二人とも眠ってしまった。
 そして、その夜にできた子供が伝説の勇者なのかは、定かではない。

   おしまい



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